九大の知と社会をつなぐー九州大学地域連携推進室

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第22回 究極のエコカー!?水素燃料電池自動車に迫る

みんなと”水素エネルギー”をつなぐ第22回サイエンスカフェ@ふくおかを開催しました!

第22回ポスター

サイエンスカフェ@ふくおか、第22回目を迎えた今回は実は2周年記念でした!2012年の8月から開始して早くも2年!そんな記念すべき今回のテーマは、「究極のエコカー!?水素燃料電池自動車に迫る〜水素の力で環境・エネルギー問題に立ち向かう〜」です!

会場はBIZCOLIさんのフロアをお借りして…
今回も満員御礼!テレビの取材まで!いつもありがとうございます!

今回の講師は、九州大学水素エネルギー国際研究センターの林灯博士!水素エネルギーの最先端で活躍する女性研究者です。まだまだ男性の多い世界でバリバリ活躍される女性の研究者ってかっこいいですよね!

講師の林博士(左)と聞き手の素粒子実験研究室 吉岡博士(右)

林灯博士のプロフィール
大阪府出身。大学1年生から博士課程修了までの約8年間をアメリカ カリフォルニア州で過ごす。2006年から水素燃料電池の研究を始める。2011年4 月より九州大学水素エネルギー国際研究センターの准教授。大好きなもの:青い海。これまでに行った海外ビーチリゾート:モルディブ、グレートバリアリー フ(オーストラリア)、ハワイ、サイパン、セブ島、ビンタン島、チェジュ島、ハイナン島、プーケットなど。

水素は未来のエネルギー?

電気を生み出すにはいろんな方法があります。日本では主に、「火力」「原子力」「水力」の3つの発電方式を使って電気を作り出しています。電気がなくては現代の私たちの生活は成り立たないわけですが、電気を作り出す代償に私たちは環境に大きな負担をかけています。火力発電ならば化石燃料を燃やすことにより発生する二酸化炭素が地球温暖化を招き、原子力発電はひとたび事故が発生し核燃料が漏れ出すと取り返しの付かない事態に、水力発電も山を切り開きダムを作る必要があるなど環境への大きな負荷が無視できません。どうにかして、環境に負担のない、未来にツケを回さない、持続可能なエネルギーは見つけられないものか…。そのひとつの可能性が、水素エネルギーです!
水素エネルギーとは、「水素と空気中の酸素を燃料に電気を生み出し、水のみを排出する」燃料電池から生み出されるエネルギーのこと。化学が苦手な私からすると、「なんじゃそりゃ!」って感じです。ちょっと絵で見てみましょう!

いやぁ〜、さっぱりですね!
でも大丈夫、「水素と酸素が結合する際の化学エネルギーを電気に変える」ってことが分かればOKです!この燃料電池の何がすごいって、まず水しか排出しないこと!その上、火力発電よりはるかに効率よくエネルギーを取り出せるのです!まさに未来のエネルギー!!…ですが、もうすでに実用化も始まっていて、トヨタ自動車が今年度中に水素エネルギーで走る自動車を発売予定です。カフェでは、ミニチュアの水素自動車を実際に走らせてみました!

実際にカフェで実演していただいたミニチュア水素自動車

水素を作る!

水素エネルギー素晴らしいですね!じゃあバンバン使っていきましょう!
…と言いたいところですが、ひとつ解決しなくてはならないことがあります。それは、水素の供給について。燃料となる水素と酸素、酸素は空気中にたくさんありますが、水素は空気中にほとんど無いので生産しなくてはなりません。水素は、天然ガスを改質したり、製鉄所の製造工程で副産物的に出されたり、水を電気分解したりすることによって生成することが出来ます。一番クリーンに生成する方法は、水の電気分解です。
しかし、ここでまたひとつ考えないといけないことが発生します。水の電気分解とは、「水H2Oに電気を通して、水素Hと酸素Oに分解する」ことです。そう、”電気を作るための燃料”を作るために電気が必要なのです!クリーンなエネルギーを目指しているのに、その準備段階でクリーンでない電気エネルギーを使っていては元も子もありません。そこで、水の電気分解に使用する電気は風力発電や太陽光発電といったこれまたクリーンなエネルギー源を使用して生み出す必要があります。

真剣に実験を見守る…

さてさて、水素エネルギーには他にも乗り越えなくてはいけない壁がいくつかあります。まず、「水素ステーション」。水素自動車が当たり前に街中を走るには、いつでもどこでも水素が供給できる環境がなくてはいけません。つまりガソリンスタンドの水素エネルギー版です。この水素ステーションは通常のガソリンスタンドに比べると建設費用が高く、まだ国内にも20ヶ所ほどしか整備されていません。建設費用の高さには法律等の規制が絡んでいたりと、技術以外の面での進展が必要です。 
次に、水素そのものの「価格」も決まっていません。ガソリンなら最近はリッター150円といったところでしょうか?じゃあ水素は?水素はリットル単位ではなくキログラム単位で価格を決めるそうですが、現在のガソリン自動車の走行距離とガソリン価格を考えると、2000円/kgを切るぐらいでないといけないそうです。
乗り越えるべき壁はたくさんありますが、水しか出さない夢のエネルギー、ぜひ広まっていって欲しいですね!!

水素と福岡 水素と九大?

さあ、水素エネルギーの素晴らしさについて迫ってきましたが、福岡と水素エネルギーには密接な関係があることを知っていますか?実は、北九州に日本でも珍しい10kmにも及ぶ水素の供給パイプラインがあり、それを利用した水素供給技術実証を行う「北九州水素タウン」が存在します。また糸島市には水素エネルギー社会のモデル都市として「福岡水素タウン」が整備され、その省エネ効果の検証が行われています。こんな身近に未来がやってきてたんですね!
それだけではありません。なんといっても九州大学の存在が福岡と水素エネルギーとのつながりを作り上げています!九州大学は10年以上前から水素エネルギーの研究に取り組み、新キャンパスである伊都キャンパスは一大水素キャンパスとなっているんです!
林先生が所属される水素エネルギー国際研究センターを始め、水素材料先端科学研究センターや数々の実験棟・技術実証設備が集合しています!また九州大学には、水素エネルギー技術教育に特化した日本で初めての専門科である水素エネルギーシステム専攻も用意され、水素エネルギー研究の一大拠点となっています!九大生なのに知りませんでした。すごい!!
九大から、福岡から、水素エネルギー技術が日本中に広がるといいですね!!

水素エネルギーを語らう!

いつも通り、第二部は先生と参加者のフリートークタイムです!
水素エネルギーは産業とも密接に繋がっているということもあって、産業界からの方々との真剣な議論も盛り上がっていました!

次回のカフェは?

次回のサイエンスカフェ@ふくおかのテーマは、
二酸化炭素を考える 〜循環する物質、二酸化炭素を深く考える〜」
で、9月12日(金)に開催予定!

地球温暖化と絡めてすっかり悪者のイメージの二酸化炭素。ほんとに悪いやつなの?二酸化炭素がなかったら人間や動物はどうなっちゃうんだろう?講師に九州大学カーボンニュートラルエネルギー国際研究所の藤川茂紀博士をお迎えして二酸化炭素の真実に迫ります!
詳細・お申し込みはこちらから!次回もみなさまのご参加お待ちしております!!

(古浦)

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