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第29回 究極のエネルギー!?水素エネルギーに迫る~水素エネルギーと燃料電池のミライ~

みんなと“水素エネルギー、燃料電池”をつなぐ第29回サイエンスカフェ@ふくおかを開催しました!

第29回ポスター

サイエンスカフェ@ふくおか、第29回のテーマは「究極のエネルギー!?水素エネルギーに迫る〜水素エネルギーと燃料電池のミライ〜」でした。

エネファームが売れたり、燃料電池自動車に補助金が出たりとエコなことで注目されている水素エネルギー。でもその実態について、詳しく耳にする機会はなかなかありませんよね。今回は、そんな水素エネルギーの可能性に迫りました!

会場はおなじみのBIZCOLIさん!
今回も沢山の方にお集まりいただきました。ありがとうございます!

今回の講師はカーボンニュートラル・エネルギー国際研究所燃料電池部門の西原正通博士!
人柄のでた親しみやすいトークが特徴で、講演中も参加者からの質問にどしどし答えていました!

講師の西原博士(左)と司会の吉岡博士(右)

西原 正通博士のプロフィール
熊本県出身。機械、建築、化学で悩み、唯一自宅で趣味として楽しめない化学を専攻。熊本大学で学位取得後、ジュネーブ大学、神奈川科学技術アカデミーを経て九州大学へ。面白いと思えば何でもやってきたため、抗がん剤開発から燃料電池の開発まで節操なく取り組む。面白いと思えば何でもやってきたため、糸島で米を作り家でカエルを飼いながら写真を撮る。現在、新しい材料をデザインして自動車材料への応用を目指す仕事をしているので、字面上やりたかったことは全てを含んでいるようだ・・・

皆さんは、水素と聞いて何を思い浮かべますか?

水素は元素の中で最も軽く、宇宙に一番多く存在しています。化学の授業でも水素はよく登場したと思いますが、その中でも水の電気分解を覚えてますでしょうか?
電気分解は、水に電気を通して水と酸素に分解させる反応でした。実は、燃料電池ではこの逆のプロセスで水素を使って発電が行われているんです!

燃料電池では、水素と酸素を反応させて電気を取り出しています。このときに生成されるのは、水と電気のみ。つまり、二酸化炭素の全く出ないクリーンな発電方法なのです!

燃料電池自動車の中でも、このような水素を使った発電がおこなわれています。一般の自動車のように大気汚染の原因となる排気ガスを出さないため、環境に優しいといわれているんですね。また、燃料の水素は反応に使われるとなくなってしまうので、燃料電池自動車ではガソリンの代わりに水素を補給します。

この他にも都市ガスから水素を作り出して、燃料電池で発電と給湯を行うエネファームなど、様々なものに取り入れられ始めた水素ですが、社会を支える新しいエネルギー源としても期待されています。その理由として、環境的な面だけでなく経済的な面もあげられます。

記事のはじめに書いたように、水素は宇宙に最も多く存在しているため地球に無尽蔵にある水やあらゆるものから取り出すことができます。つまり、原料をわざわざ輸入しなくてもエネルギーを自国で生産・消費することができるのです。よって原油価格に左右されず、安定的な供給を期待できます。
さらに、水素を貯蔵、輸送して燃料電池で効率よく電気に変換できるので、大規模発電所から遠い場所でも発電できる電力の分散化が可能になります。

このように、水素エネルギーは従来の製造→貯蔵→輸送→発電のエネルギーシステムを大きくカエル可能性があるのです!しかし、水素エネルギー社会の実現は一筋縄ではいきません。一体どのような問題点があるのでしょうか・・・?

皆さんは、自動車を選ぶときに燃料電池自動車を検討されたことはありますか?
なかなか購入まで踏み切らなかったという方が多いのではないでしょうか。その理由の多くは、そう、値段が高いですよね。現時点ではまだ発電に用いる材料やインフラが十分に整っていないため、燃料電池を安く用意することができないのです。

さらに、水素の製造プロセスにも問題があります。先ほど、燃料電池による発電は二酸化炭素の出ないクリーンな発電方法だといいました。しかし、そのための水素を生成するエネルギー源は現時点では化石燃料がほとんどです。つまり、水素をつくる際に二酸化炭素が出てしまうのです。環境に優しいといわれる燃料電池ですが、これではエコではありません。そのため、できるだけクリーンな水素の製造プロセスを考えなければいけません。
このほかにも発電効率、制度上の問題など課題は山積みです。

しかし、問題があるからこそ技術は発展していきます。来たるオリンピックに向け、日本の技術力を世界に発信するためにも、水素エネルギーの開発は政府からの後押しをうけています。これらの問題をひとつずつ解決していくことが出来れば、次世代の持続可能な社会モデルを世界に発信・リードしていくことができるでしょう。

企業や研究者の方は、解決策を真剣に考えています。皆さんも環境について考えるときは、こんな取り組みがあったことをぜひ思い出してくださいね!

座談会〜水素を語らう〜

先生のお話を受け、講演後の座談会も議論が盛り上がりました。水素の輸送上の問題点から燃料電池自動車のエコ以外の魅力は?などなど・・・。実物の燃料電池やミニエコカーにも、皆さん興味津々でした!

次回のサイエンスカフェ

記念すべき第30回目のテーマは
「地球の謎を解き明かす〜地球の中を見る、地球の変動を捉える、地球と上手く付き合う〜」

講師は九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の辻健准教授をお迎えします!
7月3日(金)19:00〜開催予定!詳細はこちらのページをご覧ください。

(森下)

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