九大の知と社会をつなぐー九州大学地域連携推進室

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第70回「プラズマプロセス技術に迫る!~スマートフォンからエネルギー問題・食糧問題まで~」

第70回サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしました!

第70回ポスター

今回もBIZCOLIさんの素敵な空間をお借りしての開催となりました!

今回も大変多くの方にお越しいただきました。

今回の講師は、
九州大学大学院システム情報科学研究院
鎌滝 晋礼 助教 です!

福岡県出身。九州大学大学院にてプラズマ物理を専攻。その後、産業応用に近いプラズマ理工学を専門とし、半導体プラズマのナノ粒子に注目し、その制御技術の開発に従事。また、ナノ粒子制御に注目した太陽電池研究にも携わっている。大学教育にも携わった経験から教育心理学にも興味がある。

九州大学基幹教育院 小林良彦特任助教 (司会)、九州大学大学院システム情報科学研究院 鎌滝 晋礼 助教 (講師)、先端素粒子物理研究センター 吉岡 瑞樹 准教授

第一部

第一部ではプラズマに関する基本的な性質と、プラズマでどの様なことが行われているのかについて分かりやすくお話ししていただきました!

以下に載せてある写真はプラズマボールと呼ばれる商品で、先生が私費で購入したものを持ってきて頂きました。先生はまず私たちに、プラズマが身近にあるものだということを知って欲しかったのだそうです。

プラズマボールが指の電気に反応している図。Amazonで購入可能。
プラズマそのものに価値があるわけでは無いので、リーズナブルな値段で購入可能。

プラズマとは、物質の状態の第四形態であると思っていただくとわかりやすいと思います。
皆さんご存知かと思われますが、物質には「個体」、「液体」、「気体」の「三態」が存在しますね。「プラズマ」はその「気体」の上の状態で、気体分子が電離し陽イオンと電子に別れて運動している状態のことを指します。「イオン化した気体」のことですね。
しかし、その様なプラズマというものはあまりなじみのない現象だと皆さん思われていないでしょうか。そんなことはありません!一番身近な現象だとでしょうか。雷は雲の中の氷の粒同士の摩擦により蓄えられた静電気(電子)が、貯蓄の限界を超えた時に放電して発生する自然現象です。とても大きいエネルギーをもつこの電子は大気中の気体分子を次々に電離します。
故に我々が見ている雷は「プラズマ」の塊なんですね。オーロラなどもプラズマに当たります。

物質の三態、もとい物質の4態

この様に、プラズマは私たちの身の回りに存在し、それを作ったりすること自体に価値があるわけではありません。先生はこの暴れ馬の様な「プラズマ」を制御し、様々な産業に役立たせようと日々研究を行なっていたのです。以下がその一例です。

  • 記憶媒体の小型化
    ほとんどの方はスマートフォンをお持ちだと思います。100 GB前後あるスマホの記憶媒体はとてつもなく小さいです(中身のほとんどは充電池が占めている)。そして数十年前のフロッピーディスクを思い出すと、彼らはあれほど大きかったにも関わらず1.3 MBほどしかなかった様です。この様に小型化に成功したのは、プラズマを操れる様になり電気的にかなり小さいものでも制御できる様になったからであります。
    自動運転自動車が現在話題になっておりますが、それに搭載される記憶媒体は 1cm x 1 cmで数TBの容量をもつ様になるそうです。発展が目覚ましい。。。

  • 微細加工技術の発展
    先ほども述べた様に、プラズマを制御できる様になったことにより、機器の微細な運転を行うことを可能にしています。最近だと、数mの幅でスカイツリー4本分の深さを掘る機械が開発されているそうです。

  • 核融合炉の開発
    皆さんは核融合というものをご存知でしょうか。自然現象に目を向けると、太陽は以下の様な反応を起こしてエネルギーを生み続けています。

  • 4H(水素) → He(ヘリウム) + Q(熱エネルギー)

    この様に軽いものから重たいものを作るという一般の自然とは相反した反応を核融合反応と言います。生じるものは貴重なHeとエネルギーという、現在の原子力発電や火力発電と違い、クリーンに爆発的なエネルギーを産むことが可能なもっとも人類に求められている発電だと言えるでしょう。
    この太陽の様な反応を実現するために、「超高温・超高密度な水素プラズマ」を安定して炉の中に閉じ込める研究が行われています。「ITER計画」というものが半世紀前から提案されており、世界中の研究者によってこのプラズマを安定して用いる方法が研究されています。
ITER 参加国

また先生は熱いお方で、科学者とは何か、研究とは何かについて語ってくれました。

  • 科学者とは
    不思議だと思い、何故その現象が起こるのか考え、謎を解き明かし、それを他の研究や社会にフィードバックできる人間

  • 研究とは
    謙虚な姿勢で真摯に、過去の偉人たちの研究を昇華していくこと

先生の考えを聞けて私もとても熱い気持ちになりました!!!!

第二部

第二部でも大変多くの方に参加していただき、
プラズマや核融合について様々な質問が飛び交っていました。

「プラズマを使うのがもっとも良い方法なのか。」
「プラズマの様に、科学において人間の理解を超えた進化が今後も起こることについて先生はどう思われるのか。」

などなど、この1時間先生に休みが与えられることはありませんでした。

座談会の様子

第71回 サイエンスカフェは、

「つぶつぶの物理に迫る!」

九州大学大学院理学研究院物理学部門 稲垣 紫緒 准教授を講師にお迎えして、混ぜようとすればするほど分離してしまう、つぶつぶしたもの(粉粒体)の振る舞いについて迫りますお話ししていただきます。

また今回で70回を迎えられたのは、ひとえに皆さんが知的好奇心を持っていつも楽しそうに参加して下さっているおかげです。スタッフもこの会の雰囲気がとても好きなので、今後とも益々良い催しができる様尽くして行きたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。

2019年11月22日(金) 19:00〜21:00
BIZCOLI 交流ラウンジにてお待ちしております!!

(牧瀬)

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