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第7回「宇宙の謎に迫る!~星の一生、宇宙の一生~」開催レポート

サイエンスカフェ@ふくおか第7回を開催いたしました。

第7回ポスター

今回のテーマは「星の一生、宇宙の一生~」!
会場は前回と同じくメディカルシティ天神でした。

当日の予約者数は50人を越えていたため、プログラムは前半と後半の2部構成。 まず前半では宇宙についてのお話について触れ、後半でドリンクを片手に科学について雑談形式で語り明かしました。

第1部

前半の第1部でお話して頂いたのは九州大学の山岡さん、司会進行は同大学の吉岡さんでした。

今回の講師:山岡 均 博士

講師の紹介

山岡さんは20年以上にわたって九州大学で研究・教育を行っています。 専門は天体物理学、特に超新星の理論的・観測的研究です。 また、天文学の普及活動にも並々ならぬ情熱を注いでおり、メディアや科学イベントを通して天文学の楽しさを市民へ伝える活動をしています。 著書も「君も新しい天体を見つけてみないか」、「大宇宙101の謎」など多数。 現在は日本天文学教育理事も担当しています。

ベテルギウス

もう3月に入り季節は春となりましたが、まだ夜には冬の星座オリオン座が確認できます。
右の写真で砂時計の様な形の星の並びがオリオン座です。
明るい星が多いので福岡の様に街明かりのある場所でもすぐに見つかります。
そのオリオン座のなかでもオレンジ色に光る星が「ベテルギウス」です。
地球から約500光年(1光年=9.5×1012km)離れています。 2012年に爆発するなどと騒がれていた星です。
結局、去年は何も起きませんでしたが実際に近いうちに爆発すると考えられています。
ただし、”近い”というのは天文学のスケールです。
私たち人間スケールではとても長いので心配ご無用です。

超新星爆発

さて、いつか起きるとされているベテルギウスの爆発ですが、この爆発には 超新星爆発という名前が付いています。
太陽よりも八~数十倍くらい重い星が一生を終えるときに起きる大爆発です。
急激に明るくなるため、あたかも新しい星が出来たかのように見えるため超”新星”という名前が付けられました。
(”1987A”という超新星からのニュートリノを検出したことにより、 小柴昌俊先生が2002年のノーベル物理学賞を受賞しています。)

超新星は大変便利で、これを用いて距離の測定も出来ます。
「速く減光するものほど暗い」という事実を利用すると、光源となっている超新星の明るさを見積もることができます。
光源の明るさが分かれば、「距離が遠いほど見かけの明るさが暗くなる」ことから距離を知る事が出来るのです。
このことを利用して宇宙の加速膨張を発見したブライアン・シュミット氏ら3名に2011年ノーベル物理学賞が送られています。

写真:山岡氏(左)とシュミット氏(右)

宇宙図2013

また、山岡さんのお話では現在編集中の宇宙図2013についても触れられました。
会場ではその仮ポスターをお披露目!
まだ公開されていませんが、近いうちに正式発表されることでしょう。
宇宙図2007を持っている方も、持っていない方もぜひ手に入れてみて下さい。

第2部

山岡さんのお話の後は、飲み物を片手にトークタイム!
山岡さんに加えて、九州大学素粒子実験研究室のメンバーで皆さんの疑問にお答えしたり科学について語ったりしました。
皆さん、非常に好奇心が旺盛でとても詳しく勉強されていました。
やはり国際リニアコライダー(ILC)についての質問や宇宙についての質問が多かったです。
小学生の参加者も積極的に質問していました。

最後に

今回来て頂いた山岡さんは福岡でサイエンスパブという活動を行っております。
こちらのサイエンスパブは3/15(金)に開催予定です。
詳しいご案内はサイエンスパブin福岡 HPをご覧下さい。

今回のサイエンスカフェは応募者多数のため途中で募集を打ち切ってしまいました。
残念ながら応募できなかった皆様、申し訳ありませんでした。
また、参加して頂いた皆様、ありがとうございました。

第8回のサイエンスカフェ@ふくおかは3月23日(土)(31日(日)に変更になりました。)を予定しております。
次回は原点に立ち戻って「ILC」がテーマです!
皆様のご要望にお答えして土曜日日曜日開催となっております。たくさんのご参加お待ちしております。
奮ってご応募ください。

では、また次回のサイエンスカフェ@ふくおかでお会いしましょう。

(中居)

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