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第13回「宇宙の謎に迫る!~ILCに迫る!~」開催レポート

みんなと物理をつなぐ素敵空間 サイエンスカフェ@ふくおか   第13回を開催いたしました。

開始から一年となる第13回を迎えた今回のサイエンスカフェ@ふくおかのテーマは、「ILCに迫る!」でした! 講師には、記念すべき第1回でもお話をいただいた、藤本順平 博士をお迎えし、
ILCについてのいろいろなことを語っていただきました。

今回も大勢の方にきていただき、本当にありがとうございます!

第1部

まずILCを語るにおいて欠かせない歴史のお勉強を!
近年では当たり前のように考えられている“ものは粒子(つぶ)からできている”という考えも、
実はここ100年ほどの間にわかってきたことなんですって。

今回の講師:KEKの藤本順平 博士(左)  司会を務める九州大学の吉岡瑞樹 博士(右)

藤本博士について

講師 藤本順平 博士の紹介

名古屋大学で博士号を取得。その後現在のKEKの前身である高エネルギー物理学研究所の助手となる。TRISTAN加速器を用いたTOPAZ実験に参加。現在は高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・研究機関講師として素粒子反応確率計算システム「GRACE」の開発に従事している。

やはり、なぜILCが必要なのかというのを議論する上で、これまで素粒子物理学の分野が歩んできた歴史を語ることは欠かせません。現在知られている標準模型はヒッグス粒子を含めて18種類。1897年に電子が発見されてから115年後の2012年にヒッグス粒子が発見されたことにより、素粒子の標準模型は完成しました。

最初に発見された電子や、その反粒子である陽電子などは、直接眼によって観測されたものです。(とくに陽電子は、以前のサイエンスカフェでも取り扱った「霧箱」で発見されています!)
しかしより小さな(正確には陽子や中性子に閉じ込められている)粒子を観測しようとなると、まずはその陽子や中性子を壊す必要があります。そのために開発されたのが加速器です。

世界で初めて開発された加速器はほんの手のひらサイズ!
そしていま世界のTOPであるLHC(Large Hadron Collider)は、なんと周長27km!
この100年の間にすさまじい技術の進歩です。まさにイノベーションですね。

しっかりと歴史の勉強をした後は、待ちに待った「ILC」です!
加速器の基本的な原理の説明からはじまり、より高速まで加速するにはどうするかなどについて、詳しく説明していただきました。やはり現代の高エネルギー分野に存在する技術の集大成ともいえる加速器だけあって、ILCはとってもすごいですね。

第2部

2部は恒例の物理談義タイムです!
今回も様々な年齢層の方々から、本当にいろいろな質問をいただきました!次世代を担う若い力も感じることができ、とても充実したものとなりました!

次回は

サイエンスカフェ、次回はついにリニューアル!
皆様によりよい会を提供できるよう、現在全力でテーマを協議しております!
詳しいことが決まり次第、HP・SNS等でお知らせいたしますのでお楽しみに!

(富田)

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