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第65回「数学的に美しい?〜バラ曲線とフィボナッチ〜」開催レポート

みんなと”バラ曲線とフィボナッチ”について考える
第65回サイエンスカフェ@ふくおかを開催しました!

サイエンスカフェ 第65回のテーマは
「数学的に美しい?〜バラ曲線とフィボナッチ〜」
スピログラフを使ってかける図形と植物の不思議な関連について、わかりやすく教えていただきました!

第65回 ポスター

今回もBIZCOLIさんの素敵な空間で開催されました!
いつも有難うございます!

老若男女、たいへん多くの方々にお越しいただきました。

今回の講師は、

九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所
数理計算インテリジェント社会実装推進部門

富安 亮子 准教授です!

経歴:東京大学数理科学研究科(学生)~高エネルギー 加速器研究機構(ポスドク)~山形大学准教授(数学に戻る)。大学入学はインターネット黎明期の1990年代。専門は数理結晶学と整数論。福岡県北九州市出身。ときどき家庭内で異分野連携を実施。

左から、BIZCOLI館長 岡野 秀之 様、マス・フォア・インダストリ研究所 富安 亮子 准教授、先端素粒子物理研究センター 吉岡 瑞樹 准教授

第一部

第一部では、スピログラフというおもちゃを使って描ける図形と植物の花や葉っぱとの不思議な数学的関係について話していただきました。
スピログラフとは1880年代にポーランド人の数学者アバカノヴィッチによって発明された二つの歯車からなる道具で、さまざまな美しい幾何学模様を描くことができるものです。スピログラフで描ける図形は2種類に分けることができ、それらは数学的には内トロコイドと外トロコイドと呼ばれます。

富安先生愛用のスピログラフ

描く際にペン先が大きい方の歯車の中心を通るような図形は「バラ曲線」と呼ばれ、花のような見た目をしています。歯車の半径を色々と変えることでさまざまな花びらの枚数の図形を描くことができます。
また、

0 + 1 = 1
1 + 1 = 2
1 + 2 = 3
2 + 3 = 5
3 + 5 = 8
:

のように、一つ前の数と二つ前の数を足して得られる数のことは「フィボナッチ数」と呼ばれ、自然に存在する植物の花びらや葉っぱの枚数はフィボナッチ数であることが多いそうです。これは、より多くの太陽光を受け取ろうとして、植物の花びらや葉っぱ同士が重なり合わないように進化した結果であるそうです。
富安先生が自ら、コンピュータ上に用意したスピログラフを使っていろいろな植物の花や葉っぱの形を再現する実験をやってみました。そうすると、実際に花びらの枚数がフィボナッチ数からずれた場合には、花びら同士が離れすぎたり重なり合ったりしてしまうといったことが見られました。
また、バラ曲線から少しだけずらしたり、歯車の半径などの異なる場合をいくつか組み合わせたりする方が、実際に存在する植物により近い形を描くことができたそうです。

スピログラフによって描ける図形が持つ面白い性質や、実際に存在する植物と数学との関係性など、好奇心の刺激される不思議なお話をたくさんお聴かせいただきました!

第二部

第2部でも大変多くの方に参加していただき、実際にスピログラフに触っていただきました!
質疑応答では、フィボナッチ数の成り立ちや、スピログラフと天体の動きの関連性、数学を使って植物を研究する学問である数理植物学など、さまざまな話題へと議論が及び、自然界に潜む数学について、さらに興味深いお話を聴かせていただきました。

第66回 サイエンスカフェは、

「線香花火の不思議に迫る〜江戸時代からの謎がいま明らかに〜」

九州大学工学研究院航空宇宙工学部門 井上 智博 准教授を講師にお迎えして、線香花火に潜む最先端の科学についてお話ししいただきます。

2019年5月17日(金) 19:00〜21:00
BIZCOLI 交流ラウンジにてお待ちしております!!

(荘司)

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