九大の知と社会をつなぐー九州大学地域連携推進室

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【2/28開催】人社系協働研究・教育コモンズのオムニバスセッション「知の形成史#6」

2月28日に人社系協働研究・教育コモンズのオムニバスセッション「知の形成史」を開催いたします。皆さまご参加いただきますよう、お願いいたします。

 どんな分野でもそうですが、「人文社会系」、もっと大きく「文系」としてくくられる学問の中にも、多様な方法と目標・関心を持つさまざまな研究領域が広がっています。しかし、それぞれの研究領域は、初めから現在の形で個別に独立して存在していたものではありませんでした。そこには少なからず、人々の知的好奇心に導かれながらも、時代の移ろいや、それにともなう社会の要求にも応答して分化してきた経緯があります。

 本シリーズでは、毎回人社系の先生をお呼びして、具体的な研究のお話をうかがいながら、いま一度それぞれの領域の「出来いできはじめ」を紐解きつつ、現在の学問が時代や社会に何を要求されているのか、そして何ができるのかを考えます。人社系の知の意味と意義を問いなおすことを通じて、協働研究の「コモンズ」醸成を目指します。

 第六回目は法学研究院から、熊野直樹先生をお呼びして、麻薬をめぐる20世紀の世界の歴史についてお話をお伺いしていきます。

 今年はヒトラー内閣成立90周年ですが、ナチズム体制の成立過程を卒論以来、研究してきました。その際、通商政策を事例に追究してきました。その後、重要な貿易品が満洲大豆だったことがわかり、ドイツと「満洲国」間の通商関係を研究するようになりました。その結果行き着いたのが阿片です。それは或る史料を偶然発見したことによります。第二次大戦中ドイツは満洲大豆に代わって阿片を輸入していました。さらに阿片以外の麻薬をドイツは「満洲国」以外の東アジアと取引していた事実が判明しました。この知的軌跡を私は「わらしべ長者」史観と呼んでいます。まさに麻薬研究は「麻薬」であり、ここでは本研究の醍醐味についてお話しします。

日  時2023年2月28日(火) 15:00~16:30
場  所九州大学伊都キャンパス E-C-203会議室
オンライン会議形式(Zoom)
タイトル麻薬とドイツ=東アジア関係―満洲大豆からナチ阿片へー
講  演熊野直樹(九州大学法学研究院教授 政治学部門)
司会・聞き手今井宏昌(九州大学人文科学研究院准教授)
蛭沼芽衣(九州大学人文科学研究院助教)
お申し込み「知の形成史#6」申し込みフォーム (office.com)
ウェブサイトhttp://commons.kyushu-u.ac.jp/collaborative/events/event_17.html
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