サステナブルファイナンス、ESG 投資、サステナビリティレポートの台頭により、企業のサステナビリティパフォーマンスの主張と、適切なESG インテグレーションやサステナビリティインパクト、例えば温室効果ガス排出量の測定、報告及び検証）を確保するための組織のリソースやキャパシティの間に徐々に乖離が生じてきています。
　グリーンウォッシングとは、「グリーン」、「サステナブル」、「カーボンニュートラル」、「ネットゼロ」、「ネイチャーポジティブ」などといわれている商品やサービスが、実際には、環境、気候、持続可能性に関する基本的な検証可能性や信頼性の基準を満たしていないことを言います。コンピテンス・グリーンウォッシュは、ESG の専門的なスキルに関連するもので、教育や専門的な実績がなく、環境に関する能力や非財務的な持続可能性に関する専門知識を過大に主張するものです。
　しかし、グリーンウォッシングとその亜種である「コンピテンス・グリーンウォッシング」は、文脈的に孤立して起こるのではなく、サステナブル金融、ESG 投資、そしてそれらが支える力強いグリーン成長に強く結びついているのです。そこで、本発表では、サステナブルファイナンスとESG の分野におけるグリーンウォッシュのリスクと、専門分野に関連するコンピテンス・グリーンウォッシュについて検討します。