生物多様性の見える化・DX化の可能性とその危険性

　近年あらゆる分野で、「DX」、「メタバース」、「AI」、などのキーワードの元、革新的なデジタル技術が実装し始めています。生物多様性科学の分野も例外ではありません。発表者は、これまで水生生物を中心に、生物多様性情報のデータベースの構築とデジタルアーカイブ、そして「生物多様性の見える化」を進めてきました。近年は特に、生物標本の3Dモデル化に力を入れており、これはDXとも非常に相性のいいコンテンツであるため、国内外から大きな反響を得ました。本発表ではこれらの取り組みのポジティブな可能性を探るとともに、「身体性」や「野性」を失いつつある現代社会におけるネガティブな危険性についても検討します。