我々は、どのようにして野生動物と共存すべきか？－人間社会から考える野生動物問題－

　昨今、野生動物と人間の問題、いわゆる、野生動物問題が深刻化しています。それは、農作物被害などを引き起こしている「増えすぎた」とされる野生動物の問題から、反対に、減少や絶滅の問題、そして外来種や移入種の問題まで、多岐にわたります。こうした問題を解決するために、自然科学、いわゆる理系からは、増えてしまったり、持ち込んでしまった野生動物を捕獲して数を減らすことや、減ってしまった野生動物の個体数を回復させるなどの試みがされています。しかし、それだけではなく、なぜこのような問題がおこったのか？、どうして深刻化しているのか？、誰と、どのような解決方策を目指せばいいのか？といった、社会科学、いわゆる文系からのアプローチも求められています。
　本セミナーでは、私が現地調査をおこなってきた国内外の事例を紹介し、人間社会から野生動物問題をどのように向き合えばよいのか、みなさんと考えたいと思います。