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第97回「超元気な分子の謎に迫る!」~光エネルギーを手にした分子の底力~ 開催レポート

 2023年10月20日(金)に第97回目となるサイエンスカフェ@ふくおかをBIZCOLIさんの素敵な空間をお借りして開催しました。 
平日の夜開催でしたが、今回もたくさんの方々にご参加いただきました! 

講師紹介

宮田 潔志 准教授 九州大学 大学院理学研究院 化学部門

山口県山口市で山に囲まれた環境で育つ。大学から京都に出て、京都大学理学研究科化学専攻にて博士取得後、海外にて研鑽を積みに3年弱ほど米国ニューヨーク市のコロンビア大学に留学。都会の洗礼を受ける。2018年から九州大学理学研究院の助教に着任。昨年12月より准教授に昇任。尊敬する偉人は藤子・F・不二雄。

ブラックライト片手に衣類を光らせる本日の講師 宮田潔志先生(右)

【第一部】

1.光とはそもそも?

 はじめに、先生は皆さんが思っている光のイメージを知りたく、先生からの質問タイムとなりました。会場からは、「電磁波」「闇を照らすもの」「粒や波」と三者三様の回答が出る中、先生は3つとも正解であると述べ、光は色々な側面があり、色々な見方があることをおっしゃいました。続いて、「光とは電場と磁場の波である。すなわち電磁波」が光の正体であると述べ、波であるがゆえに、周期的に上がり下がりがあり、その際に山や谷の短長によって変わってくる。よって、波長が違うという事は、光が持っているエネルギーが違うということになり、波長の違いで色の違いが出てくると説明をされました。また、誰もが一度は見たことがある虹を例に白色光が様々な色の光の重ね合わせであることを解説していただきました。

2.光✕化学

パインアメ、ブラックライトをかざすとなぜ光るのか?

光はエネルギーであるので、パインアメに光をあてると、パインアメに成分として含まれる分子にエネルギーが宿り、分子が吸収できない余剰エネルギーが光って消費するからだそう。
光によって超元気な分子をいかにして役に立たせるかを光化学のイメージとしてパインアメを用いて説明をおこないました。

パインアメにブラックライトをかざす宮田先生

光は物理と思われがちですが、光と化学の交差点にいる分野が光化学です。
光化学は光の可能性を広げていきます。光は自然エネルギーでクリーンなエネルギーであります。
また、他の自然エネルギーより存在する量が多いです。
 しかし、現在は光の膨大なエネルギーをうまく形成・制御できないが故に、地球が温まって温暖化になっているという見方もあります。光化学の研究者は、21世紀の人類課題「持続可能な世界」という難題を光と化学で色々な可能性を生み出せるよう日々研究をおこなっていると先生はおっしゃっていました。

3.分光分析化学研究について

先生の専門分野、分光分析とは?
光をエネルギーとして使う光化学の過程を分析する研究とのことです。
光反応から物質・現象の本質を探ります。みることを極め、観察がベースとなっており、「光化学の分野で求められている情報を引き出すための分光分析を作りたい!」と、熱く語っておりました!

また、新たな可能性の広がりを感じる「人工光合成」や先生の研究室での最新成果、アウトリーチ活動についてお話していただき第一部は閉じました。

光化学の未知なる可能性を前のめりになりながら聞き入っておりました



【第二部】 

座談会では、第一部で伺った内容での疑問点や質問が飛び交い、終了時間ギリギリまで大変盛り上がりました。「エナジードリンクも実は光る?」「人工光合成についての今後」「光る!?ミミズの謎」「先生の今後の展望」などなど驚きと笑いに満ちた座談会でした。

閉会後、パインアメを光らせながら記念撮影!左から、岸村顕広先生、宮田潔志先生、吉岡瑞樹先生



宮田先生が所属しております恩田研究室HPでは、先生が取り組んでおられる研究のより詳しい情報が掲載されています。研究内容にご興味がある方は是非、下記URLをチェックしてみてください!
◆詳細は以下のHPをご確認ください。
   九州大学 分光分析化学研究室(恩田研究室) (kyushu-univ.jp)


次回の「サイエンスカフェ@ふくおか」のお知らせ 

次回は、12月22日(金)19時よりオンラインでの開催となります。
「二酸化炭素の循環の謎に迫る!~二酸化炭素は燃料になり得るのか~」と題し、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の冨崎先生にご講演いただきます。 
皆様のご参加をお待ちしております!

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