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第99回「デザインって何?」~これがデザイン!、こうやってデザイン!、これもデザイン!~ 開催レポート

 2024年はじめのサイエンスカフェ@ふくおかは1月25日にオンラインで開催されました。
第99回は「デザインって何?~これがデザイン!、こうやってデザイン!、これもデザイン!~ 」と題し、芸術工学部 未来構想デザインコース の尾方義人先生にお話しいただきました。 

アメリカでは「売れるデザインが良いデザイン」という定義がありました。 

商業・工業デザインの先駆者レイモンド・ローウィのデザインを例に当時、流線形にすると商品が売れたので、流線形の商品にあふれた歴史を振り返りました。 

デザインは経済を動かし、欲望を喚起する役割もあると述べ、その例として、1926年頃のフランス、ミシュランガイドについて説明されました。 

楽しい体験をデザインする一方、遠出の体験を促し、タイヤを消耗し、タイヤの購買につながるガイドブックを発売したミシュランガイド。体験をつくるというデザインは表裏一体であると先生は延べ、デザインの役割はさまざまであるとおっしゃいました。

1922年、ドイツでは規格化協会が発足しました。生活の様々なものを規格化していきました。
(例:用紙の大きさ(A版)、台所のレイアウト、掃除道具など) 

産業革命後、工業化を重視すると、アートが必要という声が大きくなり、アートを重視すると、工業化、規格が必要なのでは、という声が大きくなるという歴史を繰り返してきたと述べられ、デザインとは、抽象的と具体的、相対的、絶対的を繰り返して今に至っており、複雑さ、と容易さの間を行き来してきたと成り立ちがあるとおっしゃいました。 

改めて、尾方先生の自己紹介や今まで携わってきた商品やデザインを紹介していただきました。

講師紹介

尾方 義人 教授 
九州大学芸術工学部 未来構想デザインコース
九州大学 総長補佐

工業デザインはたくさんの人とかかわりあって作り上げていくと述べられ、携帯電話やPCのデザイン、眼鏡のデザインなど様々な作成過程に起こったエピソードを語っていただきました。

部屋の空気から二酸化炭素を直接回収し、資源にかえ、地域資源自立社会を目指す家電。 

・妄想デザイン 

勝手に2040年福岡市営地下鉄の路線を想像し、自由に考えてみることを行いました。 

・ジェンダーデザイン 

多様性について色々、議論はありますが、対立ではなく、想像のアクションの考え方をどうデザインしていくかが大切とおっしゃっていました。 

救急車利用改善・理解のためのデザインアプローチ「問題提起のデザイン」について説明しました。 

昔はプロダクト的であったが、今後は救急車のコミュニケーションをどう新しく作っていくのか、社会にどう役立っていくのかを考えていくのが重要でありデザインの役割であるとおっしゃいました。 

これからのデザインは、新しい表現、概念、アプローチを考えていく「サムシングニュー」の視点が必要と述べ、尾方先生は今後も様々な先生や専門家の方と肩ひじ張らずに、関わりあい、その積み重ねで解決できない何かを変えていきたい。その先に喜びが生まれることもデザインの対象となるのではないかと、ワクワク語っておられました。 

短時間ではありましたが、尾方先生、貴重なお話をありがとうございました。 

次回、第100回サイエンスカフェは「目の謎に迫る!」登壇講師は九州大学総長 石橋達朗先生です。詳細は後日、HPにてお知らせ致します。

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